佐藤泰志。
『海炭市叙景』。
大好きな映画です。
モノクロームで重苦しい函館の情景、
リリカルに響くジム・オルークの音楽、
どこまでも生臭い役者たちのうごめき。
冬が来る度に観なおしたくなる作品であり、
生きるとは? 幸せとはなんぞや?というような
柄にもないことを考えさせられる、
素晴らしい作品です。
原作となる短編小説を書いたのが
41歳のときに自ら命を絶った、
作家、佐藤泰志。
そんな佐藤泰志が書いた作品が
またひとつ映画化されました。
『そこのみにて光輝く』。
こちらはまだ公開前なので、
詳細を書くのを控えますが、
感想を箇条書きで。
・高橋和也はいつ見ても素晴らしい。
・池脇千鶴はとにかく艶めかしいし、愛らしい。
・菅田将暉は若手では抜群だと思う、とにかく。
・綾野剛はこの作品で少し好きになった。
誰だお前は?ってな上から目線ですが、ご勘弁を。
スタッフの多くが『海炭市叙景』に参加していた方なのですが、
最近自分は「撮影」に注目しています。
両作品を撮影しているのは、近藤龍人。
ざっとその参加作品を並べてみると、、
「どんてん生活」「ばかのハコ船」「リアリズムの宿」「天然コケッコー」「マイ・バック・ページ」「桐島、部活やめるってよ」「横道世之介」
と、もう完全に現在の邦画界に欠かせない人物なのです。
映画では、どうしても
監督や役者、そしてプロデューサーぐらいまでしか
脚光を浴びることがありませんが、
個人的にはもっと「撮影」にフォーカスしてもよいのでは
と思ったりしました。
ちなみに、
『そこのみにて光輝く』のパンフレットでは、
監督と撮影・近藤龍人の対談が掲載されております。
こちらも必見かと。
『そこのみにて光輝く』。是非。