御茶ノ水ジャニスと高円寺スモールミュージック。
言わずと知れたレンタルCD&DVD界の巨人、生き字引、世界遺産。そんなお店です。まぁでも仕方ないですね。知らせを聞いたときもショックというよりも、ついにきたかという感じでした。自分もここ5年は行ってなかったと思います。いやもっとかな。
自分はどちらかというと、「ジャニス」出身の方が高円寺で営んでいた「small music」の大ファンでした。店名の通りこじんまりしたスペースでしたが、そこには大げさではなく音楽の宇宙がありました。あと愛。
ラインナップがけっこう偏っていて、ロックはかなり少なめ、ヒップホップはほぼなし。じゃぁなにが豊富なんだというと、USインディー、ポストロック、エレクトロニカ、ハウス、テクノ、現代音楽、クラウトロック、ソウル、ファンクなどなど。自分の音楽の素養はほとんどすべてこの店で作られました。
絶妙なところをくすぐってくる品揃えもさることながら、お店の雰囲気もすごくよかったんです。「ジャニス」は魔窟!という感じで、お客さんはみな生気を吸い取られながら音楽を漁り続ける感じ(あくまでも自分の印象ですよ)なのですが、「スモールミュージック」はものすごく平和。日曜の昼下がりみたいな。
店員さんは当然鬼のように博識なのですが、これみよがしに知識をひけらかしたりはしません。ただしこちらから質問をすると、的確すぎるアドバイスで借りるべき音盤を次々に掘り出してくれたものでした。そういえば、延長してまうと半額(だっけ?)を金券で返してくれたなー。いやいやレンタルビジネスって、そこが儲けどころでしょうよと思いながら、貧乏社会人だった自分はその恩恵に大いにあやかっていたのでした。
このお店があったから、高円寺に住んでいたといっても過言ではありません。8年間の営業を経て2011年に閉店した「スモールミュージック」。もうひとつ「高円寺文庫センター」というのもありましたね。この二店が立て続けに閉店して、自分のなかの高円寺は死にました。
服でもなんでもこういうお店に出会えると、それだけで豊かな生活が送れますよね。